お茶椀爆発。
なんやねん、それ。
でも今日、爆発したんですよ。
別にふぁんぐのゆで卵じゃありませんよ。
朝の散歩から帰り、狼曉くんはごはん。
ふぁんぐはフラフラと家のなかを徘徊していると、狼曉くんが仰せになった。
「やいふぁんぐ。ボクがご飯食べてるんだから、そばにいろ」
あーそーですか。
仕方がないので狼曉くんのご飯の食べっぷりをながめていると。
目の前を、茶色い狐が走り去り、ふぁんぐの体に水がかかる。
あれ?と思った瞬間、
がっしょーんっ!!
という音が、狐の足音に遅れて追いかける。
は?
次の瞬間にはなんか、顔が痛かった。
つか、何があったの??
バラバラ!と何かがこぼれる音。
あー、そうか。
ドッグフードがこぼれたのか。
ゆるゆると手を、痛む場所に持ち上げる。
何もかもがスローモーションで見える。
しかしそれ以上のスローモーションで動くふぁんぐの脳内。
結構痛い、というか、茶碗だけじゃねーだろぶつかったの…
結構痛い。うん、結構痛いよコレ。
すると、鼻の辺りを抑えた手に、生暖かい感触。
どろり。
………赤いな。
どろどろとした液体が、ぬらぬらと窓からかすかに注ぐ朝日に光りつつ、手のひらを滑り落ちてゆく。
……………。
あまり血行の良くない手のひらと、流れゆく緋の対比。
ふとポリポリといういい音を耳にしてそちらのほうへ目を向ければ、こぼれたドッグフードを狐が食っていた。
「てンめぇ~~~~~~!!!!!!」
まだむべりーは固まっている。
ふぁんぐは鼻血を滴らせながら立ち上がる。
「いい年して鼻血出しちゃったじゃんか!!!なにこれ!!鼻ぶつけて鼻血なんてなかなかできる体験じゃないかんなコノヤロー!!!」
とりあえず血を拭こうとティッシュに手を伸ばす。
視界が曇った。
「涙目になっちゃったじゃねーか!!!」
だって、痛い。
ポリポリとドッグフードを食べ続ける狐。
ていうか、お前何かに何かにびびったから吹っ飛んでついでに茶碗まで暴発させたんじゃないの?
なのに何独りで勝手に解決した風を装って、自分がバラまいたドッグフード食ってんの?
惨状に目を向ければ、こないだ置いたお茶碗ホルダーがあらぬほうにとび(というか茶碗+こいつの一撃を食らった模様。鼻血も出らァな)、水のみ茶碗が吹っ飛び、水とドッグフードがまるで海と砂浜のごとく。
「ッたく…ホントに鼻ぶつけると鼻血って出るんだな」
漫画の表現事項が正しかったことを体験。
両鼻から出すなんてなかなかできる体験じゃねーな。
やれやれ。
コノヤロー、と半ば八つ当たり(??別に八つ当たりじゃないような…)気味ににらむと、「何か用?てか、ふぁんぐ何で鼻血なんぞ出してんの?おっちょこちょいだなぁ♪」とでも言いたげな顔。
ぷち。
世間ではセンター試験なこの日。
やっぱり、4日に買ってきたままの状態でほったらかしにされていたあげく、目を入れてたはいいがなんとも三白眼な目を白いダルマに入れたのが原因か。
ダルマの祟りか。
すんません。
近頃落ち着いてきたね♪なんて言われつつある狼曉君。
……………………………三歳になれば、おちつくよな?な?な?
ダルマ様、どうか狼曉君を落ち着かせてください。