別に真夜中でなくともふぁんぐは常に戦いと隣り合わせに生きている。
なんか○ラゴンボールみたいだが。ここ2~3日は、特にだ。
話は変わるが、ふぁんぐの学校の体育でとうとうテニスが始まる。
別にテニス狂というわけではないが、少しだけやっていたことがあるのでマイラケットもあるし、少しは他のスポーツよりなじみがあるという程度。ちなみにサッカーもスキだがチームプレーが嫌いなため、学校でやるのは好きじゃない。でもバスケとかバレーとかよりはスキかな。剣道は別格。
で、中学の授業でテニスをやったときには軟式だったためにあんまりおもしろくねー、で終わった。で、高校でも軟式やろ、と思っていたら!何と硬式!!やったぜぃ!!
ということで、マイラケットを引っ張り出し、少し腕慣らしでもしとくか!とテニスボールを捜すと。ない。
え?こないだ新品のボールあったよな?いや、缶からは出しちゃったけど、使ってないやつ、あったよな??と探してもない。
ま、まさか。
これが、あの新品ボールの成れの果てか…?!
と狼曉のおもちゃ箱の中のテニスボールを見つめてうなる。
ダン○ップだもんな。コレだわ。いつの間にくすねやがったんだあのアホ狐!!!
カメ仙が隠匿していた新品テニスボールはどっかいっちゃったし、ようやく一個だけ出てきた少しはきれいなボールも空気が甘いし、もう、買ってくるまでこれしかないのか。
しかたがない。
とそのやっとこさ堀出した一個でほいほい、とラケットの上でボールをバウンドさせ始めると。
キラキラ…
なんか、星が舞ってんな…なんだ??
とふとその浮遊している星を追っていくと。
「ぬを!!」
そこにはきちんとお座りをして、僕、いい子だよ♪という、お座りのお手本のような格好の狼曉がいた。
おぉ、なかなか男前やないの。一瞬だけ。
って、そうじゃない!!
「ダメ!コレはダメ!!てか、お前が僕のボールくすねたんだろ?!アレでいいだろうが!!」
「いや♪それがいい♪」
「そんでもってコレお前にやってお前のボール使ったら今度はソレを欲しがるんだろうが!!!」
「当たり前ジャン♪」
「こンのバカ犬~~~~~~~!!!」
なんとか無視して再開すれば、ボールが落ちるのをひたすらまっている。首はボールの上下運動と共に上下し、目にはあふれんばかりの星が散る。
そして。
「あ!」
久々で腕はやはりなまっている!ボールがぽろっ、と落ちた。
キラーン☆
「とった!!!」
「ま、待てこのやろーっ!!!」
「やだよ~~~」
「まちやがれ~~~~!!!」
「やだよ~~~だ!!とったとった~~~~♪」
「~~~~~~~~~!!!よし!!!」
追いかけっこでまともにかなう相手じゃない。ふぁんぐは狼曉のピーピーなるボールを取り出し、それをラケットの上で弾ませた。
「ほら!狼曉、欲しくない??」
「いらね」
「なに~~~~~~?!」
「ふぁんぐはコレが欲しいんだろ??そんな簡単な手には引っかかんないもんね♪」
「こんのクソ狐~~~~~~~~~!!!!」
結局ソフトササミジャーキー1センチ四方をちらつかせると、ボールを吐き出しすっ飛んできました。そのスキに奪還。簡単な手には引っかかんないんじゃなかったのか??
そして今日。
ふぁんぐはテニスボールと狼曉用の硬いテニスボールを買って、帰って来ました。
狼曉用のボールには、足跡と暁印。
そしてラケットの上で暁ボールを弾ませ、ヤツの瞳の星が存分に散るのを舞ってから、わざとぽ~ん。
おかげでようやく、ふぁんぐは自分のボールで練習ができましたとさ。
…5分だけ。