んだよ、まだむもかよ。
とまだむのダイアリーの出来事についての報告を受けたふぁんぐの第一印象。
変なところで親子だなァおい。
そう、ふぁんぐも今日、喧嘩をしてきた。
いや、僕のは喧嘩じゃねぇ!!抗議だ!!!!
以下、その模様。
喧嘩の相手は、担任(笑
ことのはじめは帰りのホームルーム。
今、ふぁんぐの座席は教卓のまん前。
目の前に担任がいるという構図。
そこで
「小論文を書いて、提出するように。25日締め切りだから」
なんだと?!
と当然クラスメートたちはざわついた。
なんでだよ?!どうしてだよ?!なんで休みでもないのにそんなことしなきゃなんないんだよ?!
ごもっとも。
ただふぁんぐは、もともと穏やかな性格(にやり)なので、黙ってその文句を聞いていた。
「これから入試休みで5連休だからだよ」
「俺たち、2連休しかないじゃないですか!!」
「だってもう金払ってんだよ!!お前らはその小論文の添削代をどぶにすてんのか?!」
!!
ちょ~~~~っとまったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
背景をご説明すると、うちの学校は例によって例のごとく、世界史、芸術、保健など、履修不足問題が持ち上がっている。とくにふぁんぐが属する特別選抜クラスは、他クラスよりもず~~~~っと履修不足が多い。よって、今回のうちの学校への入試期間にも、他クラスは休みのところをうちのクラスはばっちり補修があるという有様。普通の土日こそ休みだが、その後の二日はその補修、そしておまけは強制的に受けさせられる模試がある(あ、忘れてた…)。それで5連休とぬかすか?!しかも…
ぷっちーん、ときたふぁんぐ。低い声で担任をにらみ上げ、一言。
「ちょっと待ってください、先生」
ぎょっとしてふぁんぐを見る担任。実は以前に、ふぁんぐの口の強烈さを体験したあとだったため、担任はふぁんぐの口の恐ろしさを知っていた。
「5連休って、どういうことですか?」
「だ、だからまとまった休みだからその間に小論文をって、ことじゃないのか?俺が決めたんじゃない」
「そもそもこの履修不足問題は、学校側の不祥事じゃないんですか?毎週補修をやらされて、他のクラスが休みのときにも学校で補修。すべては学校側の不祥事でしょう」
「そ、そうなんだけど!!」
「今更履修問題についてうだうだ言うつもりはありませんよ。それについては校長や教育主任からの謝罪もありましたから。それに卒業できないのは困りますしね。ただ…」
もはやざわついていたクラスメートは担任とふぁんぐを交互に見て、ことの顛末を見守っている。というか、実はふぁんぐが担任にというか他人に向かって喧嘩を売るところを、クラスメートは見たことがない。
どんなに猫かぶってんでしょうね(笑
ただ単に面倒くさいだけです。
さて。
「今回の小論文については、言いたいことがありますよ。履修問題でこの休みが、選抜にとっては2連休しかないことぐらいとっくにわかっていたことですよね?」
「お、おまえたちだけじゃないだろう!今回不足を免れたのは一部の文型だけだ!」
「だったらなおさらです。全体的に余裕がないことがわかっていながら、更に負担をかけるとはどういうことですか?それに、選抜には強制的に受けさせる模試もあるんですよ」
「そ、それは来年度の試験だから仕方ないだろう」
「ええ、それについて文句を言っているわけではありませんよ。あくまでも小論文についてです」
「い、いいじゃないか!小論文なんてお前にとっては軽いだろ!!!」
「私だけの問題じゃないでしょう」
「……………お前、なんで今日こんなに機嫌悪いの??」
「私の機嫌なんてどうでもいいんですよ」
にらみ上げて、低い声で言葉を途切れさせずに、しかも礼儀正しく。
担任、タジタジ。
それに気を良くしたクラスメートが、一気にはやしたてる。
「いいぞ!犬上!!」
「今日の犬上、なんかすごくね?!」
「このまま校長室乗り込めよ!!」
うるさいのは好まないのも、ふぁんぐ。
ギロリと聴衆をにらみ、一言。
「何か言ったか」
「「「「な、なんでもないです…」」」」
それを気に、担任は
「そ、そろそろ世界史の補修だ(今日のホームルーム後にも週一の補修があるのです)!遅れないように早く行け!!」
まぁいいか、とふぁんぐは黙るが、そこで終わりにすればよかったものを。
担任、いまだ机の上に残る小論文のセットを数え、誰か持っていっていないやつがいる!と叫ぶ。
ふぁんぐはもう興味もなく、司馬遼太郎作の「世に棲む日々」を読み出していた。
そこに、受け取っていなかったやつというのがすごすご登場。担任、なじる。
「おまえはそうやってすっぽかそうとしてたんだな?そういうヤツだったんだな。ソレでいいのか?お前。お前は選抜の一人だろうが。情けないと思わないのか?」
ふぁんぐ、「世に棲む日々」をぱたんと閉じる。
「先生、くだらない嫌がらせをしていないで、さっさと終わらせていただけませんか。先生のおっしゃる補修に遅れます。まぁ終了時刻が変わらないなら、いくらでもどうぞ」
「…○○(クラスメート)、さっさと席つけ」
とまぁ、喧嘩??をやってきたのでした。
親子そろって、お恥ずかしい。
妙なところで似るものですな。
うん。