さて、ホテルの朝。
寝起きの悪いふぁんぐは、友人にゆすられくすぐられはたかれようやくムックリと身を起こすとなんと、ビッグサイズのドデカイベッドが二つ並んだ隙間に落ちた。
「大根だ、大根がある」
そう言ったのは天の神がとなりで寝ていた友人か。
少なくとも引っこ抜いて人間に戻してくれたのは後者。
朝もバイキング。うん、それが平和だよ。朝からドデンと出されたらきっとブタさんやウシさんのご飯が増える。うん、ただやっぱり甘い。
バスに乗ってカイントン地区とやらへ。その前のスーツケース詰めに何か問題はなかっただろうか。うん、だって大して出してないし、一応床這い回ったからダイジョウブだよな。
ちょ、何、このバス。オーストラリアは交通法が厳しくて、バスの乗客もシートベルトが義務付けられているらしい。「日本よりも厳しいんですよ」とバスガイドさん。
ひとつ言いたい。シートベルトが要らない日本のバスは、道を時速100キロでは走らない。
ファームステイ先のファミリーとは、なんとかという競馬場(のレストラン)で対面という予定。
何だ、それは。つまりはファミリーに生徒が売り渡されていくんだな。少なくとも僕は遅くとも走ることならできてもジョッキーがちゃんと最後まで乗っているかの保障はない。
順番にグループが呼ばれていく。さぁてそろそろ吾らの番だ。と思ったら。
「ごめんね、あなたたちのファミリーのお迎えの方、ここで働いてるの。だから最後にね」
なんじゃいそれは。ファームで働いてんじゃないの?
「あ、はい、わかりました」
笑顔で答えて壁際へ。
ようやく最後になってもまだ来ない。おーい、僕は売れ残り?え?ジョッキー振り落としちゃうから??前そんな歌あったな…と思っていたら、やってまいりました。
ホスト・マザーがお迎えで、とてもフレンドリーな方でした。
「ちょっと仕事が残ってるから、待っててくれる?」
NOって言ったら、どうするつもりだったんだろ。
もちろん気にしないで~とフレンドリーに答え、ふらふらと競馬場のレストラン内を歩き回るが、ホストマザー、忙しそうだ。なんか手伝うことある?と聞いたらダイジョウブ、と答えられたが、はっきり言って、暇。他の生徒はみんなもうそれぞれのファームに行ってしまい、生徒は僕と友人の二人だけ。あーあ。
と思ったら、なんか来た。教師の群れだ。
「ファミリーの人はどうしたの(はぐれちゃった?な感じの発音です)」
…遊園地の迷子扱いですか?幼稚園のガキにしたいのか僕を
事情を話すと、納得した様子の教師。そこにホストマザーと、もうひとりオジサンが近づいてきた。ホストファザーかと思いきや、隣人だとのこと。
「道を挟んだ隣なんだ。だから近いよ」
あ、二キロとか離れてないんだ。
「彼はてぃーちゃーずのファームの持ち主よ」
「なんだと?!」
ふざけるな。ここまできて何ゆえに隣が教師陣なんだ。しかも普通の隣じゃなくて近いネイバー。本当のネクストドアだよ。なんだ、僕がジョッキーを振り落とす暴れ馬だからか。そーかそーか。…蹴るぞ
「ダイジョウブ大丈夫!!会わないから!!」
会っても無視するから。
さてようやくすったもんだの末にスーツケースをガラガラ引きずってホストファームへ。
やれやれ。どーでもいいけどオーストラリア、常夏なイメージばっか振りまきやがって、南のクセにどーしてこんなに寒いんだよ?!といったら友人に「それは南極が常夏パラダイスだと言っているのと同じだ」といわれました。そーね。南極メニーペンギンズですもんね。
さて、この日の午後、とうとうファームのわんこたちと対面。
明日に持ち越し。
請うご期待。